もろはしせいこう「超大型紙芝居の世界」vol.2を観てきました。令和3年4月19日 長岡リリックホール

最後の舞台挨拶を行う諸橋精光師

諸橋精光師は、長岡市柏町にある「千手の観音様」として有名な千蔵院のご住職です。

諸橋さんは、僧侶であり、画家でもある方です。その作品は、金泉寺の御檀家さんには毎回お届けしている「光明」の仏教説話や絵本、紙芝居と多岐に亘っています。

38年前から130cm×90cmの超大型紙芝居を毎年描き続けています。最初の作品「地獄に行った五平」の語りを私がやらせていただき、15年ほど語りを勤めさせて頂きました。その時のことを諸橋氏は、今回のパンフレットに書かれています。

『38年前、お寺の行事に集まる300人を超える子どもたちに見せるために超大型紙芝居を作りました。それを初めて演じた時の衝撃は今も忘れられません。紙芝居の絵が語りや抜きによって命を吹き込まれ動くように感じられたのです。目から絵が入り、耳から語りが入り、それらが頭の中で合流すると静止した絵が動くように見えてしまう。人間の不思議です。そこにさまざまなニュアンスの抜きが加わって、見る人の集中力を高め、ぐいぐいとお話の中に引き込んでいく。紙芝居ってなんて面白いんだ!そう思ったことが原点でした。』

私も38年前のことは鮮明に覚えています。芝居をしていた私にお声がけを頂き、出来たての脚本を初見で語らせて頂いた時の衝撃は強烈でした。諸橋師の紙芝居作りには多くの仲間の協力によって成り立っています。最初からのお付き合いの目黒修平さん、今井和江さん、そして重要な支えて手である奥さんの諸橋香也子さん「拍子木の会」の皆さん素晴らしい仲間に囲ませています。最近は、本格的な音楽紙芝居にも取り組まれ、今回は宮沢賢治の「セロひきのゴーシュ」「やまなし」ではプロの音楽家の方コラボレーションを行っています。「セロひきのゴーシュ」を作曲された桑原ゆうさん、チェロの斉藤 翔さん、クラリネットの西村薫さんの演奏は、紙芝居とマッチして鳥肌が立ちました。宮沢賢治原作の作品を諸橋さんはいくつか手がけていますが、今回の2作は、音楽紙芝居という新しいジャンルを作られたと思います。「セロひきのゴーシュ」の語りの菊池好江さんによる猫、ネズミの親子、カッコー、子狸らの動物とゴーシュの掛け合いは、チェロと絵とマッチしてゴーシュと動物たちの息づかいが伝わってくるようでした。「やまなし」の語りの福島 梓さんはダンサーで俳優という方でみずみずしい語りは、川に暮らす蟹の親子の冒険にドキドキしながら誘ってくれました。

前半に上演された「村の地蔵」「鬼のつば」「こがねの舟」はかって私も千蔵院さん「かんのんこどもまつり」の折りに語らせて頂いた作品ですが、今井和江さんが「村の地蔵」「こがねの舟」2作を語り、ギターの山井小多加さん、友情出演の長谷川裕二さんが作品に叙情を加えてくれました。「鬼のつば」の語りの本田ちかこさんは、鬼に呪いをかけたれた武士の哀愁と人間の矜持を見事に語ってくれました。目黒さんの太鼓、奥さんの妙鉢は、紙芝居にリズムと躍動を吹き込んでくれていました。

諸橋精光師の渾身の集大成ともいえる今回のイベントで5本の紙芝居を堪能させて頂きました。最初の出会いから超大型紙芝居が、見事に発展したことに心より敬意を表したいと思います。この企画に観客として参加できたことに感謝申し上げます。

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